こわくない治療の味方!笑気麻酔について

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こわくない治療の味方!笑気麻酔について

歯科治療について

2025/05/05


 

歯医者が苦手なお子さんは少なくありません。診療台に座るだけで泣き出してしまうお子さんや、口を開けることを嫌がるお子さんも多く、親御さんも不安や心配を感じる場面があると思います。
そんな時に役立つ方法が「笑気麻酔(しょうきますい)」です。
 
しかし、笑気麻酔を使用したことがない親御さんにとっては「意識が飛んじゃうの?」「どんな効果があるの?」「副作用は?」といった不安があると思います。
 
今回は新たに導入した笑気麻酔について、“どんなものなのか” “どんな効果があるのか” “実際の流れや注意点” などを詳しくご紹介します。
お子さんの歯科治療に不安を感じている親御さんに読んでいただきたい内容です。
 

⭐笑気麻酔ってなに?
 
笑気麻酔とは、「笑気ガス(亜酸化窒素)」という気体を、酸素と一緒に鼻から吸う麻酔方法です。
この方法は、痛みを完全になくす「麻酔」とは少し異なり、不安感・緊張の軽減やリラックス効果が主な目的のため、軽度で、意識を失うことなく治療を受けられることが特徴です。
顔の緊張がほぐれ、なんとなく笑っているように見えることから「笑気」と名付けられたと言われています。
 

⭐こんなお子さんにおすすめ!
 
· 歯医者に行くと泣いちゃう
· 注射や音が怖くて治療できない
· お口をずっと開けることがつらい
· おえっとなりやすい(嘔吐反射が強い)
· パニックや不安で治療に集中できない
· 初めて歯科治療を受ける
· 過去に歯医者で嫌な思いをした
 

⭐なぜお子さんに笑気麻酔が向いているの?
 
子どもは大人と違って、環境の変化や見慣れない器具に敏感です。「歯医者=こわい場所」とインプットされると、なかなか協力的な治療が難しくなります。
 
まず、なぜお子さんが歯医者をこわいと思うのでしょう?

· 「キーン!」という音が苦手
· お口にいろいろ入れられるのが苦手
· 何をされるのかわからなくてこわい
· 痛いかもしれないとドキドキする
· おえっとなってしまう(嘔吐反射が強い)

上記のように感じて、歯医者をこわいと思っているお子さんが当院にも来られます。そんな気持ちを和らげるために使われるものが「笑気麻酔」です。
 
笑気麻酔には以下のようなメリットがあります。

· リラックス効果:緊張や恐怖心をやわらげる
· 痛みへの感受性が低下:ちょっとした刺激も気になりにくくなる
· 意識がはっきりしている:完全に眠るわけではないので、安全性が高い
· 吸入をやめるとすぐに効果が切れる:治療後すぐに元の状態に戻る
· 嘔吐反射を和らげる:おえっとなりにくくなる
· 音が遠くに聞こえる感覚になる
 
これらの特性から、お子さんが怖がらずに治療に取り組めるよう、心理的なサポートとして多く使用されております。
 

⭐実際の流れはどうなっているの?
 
笑気麻酔を使った小児歯科治療の流れは以下のようになります。

1.    事前説明と同意
保護者の方に対して、笑気麻酔の目的や効果、副作用などについて丁寧に説明し、同意をいただきます。

2.    笑気ガスの吸入
鼻に柔らかいマスクを当て、酸素と笑気の混合ガスを吸入します。数分でふわっとした感覚になり、緊張が和らぎ、リラックスした状態になります。

3.    治療開始
お子さんが落ち着いてきたことを確認してから、治療を始めます。意識があるためお子さんとお話もでき、何かあればすぐにやめることができます。(必要に応じて局所麻酔を併用することもあります。)

4.    笑気の停止と酸素の吸入
治療後は笑気の供給を止め、5分ほど酸素のみを吸って体内のガスを排出します。(体内にガスは残りません)

5.    終了・帰宅
体調に問題がなければ、そのままご帰宅いただけます。ふらついたり、気持ち悪くなったりすることはほとんどありません。


⭐️副作用やリスクはあるの?
 
笑気麻酔は、世界中のお子さん(3歳頃から使用可能)から高齢者の方まで使われている、非常に安全性の高い方法とされています。
しかし、ごくまれに以下のような軽い副作用が見られることがあります。

· めまい
· 吐き気
· 眠気
· 過呼吸
⇒ガスを止めれば元に戻ります。

特に空腹や満腹状態では気分が悪くなることがあるため、治療前の食事のタイミングには注意が必要です。
一般的には治療の2時間前くらいまでに軽い食事を済ませておくことが推奨されます。
 
また、以下のような場合は笑気麻酔の使用が制限されることがあります。

· 鼻づまりや風邪をひいている場合
· 中耳炎や副鼻腔炎が起きている場合
· 過去に笑気で体調不良を起こした経験がある場合
· 妊娠中
 
上記の場合や持病、アレルギーがある方は事前に医師へお伝えください。


⭐親御さんの「安心」もサポート
 
お子さんが歯医者をこわがるのと同じように、親御さんも「泣いてしまわないか」「嫌がって口を開けないのでは」と心配になることが多いと思います。
笑気麻酔を取り入れることで、お子さんが落ち着いて治療を受けられるだけでなく、親御さんの不安も軽減されるのです。
 
また、「歯医者ってこわくないんだ」と感じてもらえれば、次回以降の通院もスムーズになります。
これは、将来的にお子さんの口腔ケアへの意識を高める第一歩にもつながります。


⭐まとめ

笑気麻酔は“こわくない治療”“優しい治療”
 
歯医者がこわいことは、悪いことじゃありません。しかし、こわいから行かないでは、むし歯がもっと悪くなってしまいます。
小児歯科における笑気麻酔の活用は、「歯医者=こわい場所」というイメージを変えてくれる、お子さんの心に寄り添う“優しい治療”のひとつです。
安全性も高く、体への負担も少ないため、歯科治療に不安がある方にはとてもおすすめの方法です。
 
「こわい」「痛い」が理由でついつい治療が後回しになっているお子さまがいらっしゃれば、ぜひ一度笑気麻酔を導入した当院にご相談いただければと思います
お子さんが少しでも安心して通院できるよう、私たちと一緒にサポートしていきましょう。
 

⭐おまけ

お顔のイラスト付き笑気麻酔機について
 
冒頭に挿入させていただいた画像は、当院で使用している笑気麻酔機です。
当院スタッフが目と眉と蝶ネクタイを作成して貼り付けることによって、ロボットのような可愛らしい姿となりました^^
こちらのアレンジは、当院のDr.村田が週に1度お世話になっております「こいし・こども矯正歯科」さんを参考にさせていただきました。

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