間食と虫歯のリスクとフッ素

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間食と虫歯のリスクとフッ素

歯科治療について

2025/06/27



おやつが歯に与える本当の影響とは?

間食とは、決められた食事と食事の間に摂る、補助的な食事のことです。間食の主な役割としては、1日の食事で不足しがちな栄養素を補ったり、気分転換や生活の潤いを得るために摂ります。空腹を満たす目的でも摂取されます。
日々の生活の中で、小腹がすいたときや気分転換に「ちょっとしたおやつ」をつまむことは多くの人にとって日常的な習慣となっています。仕事の合間にチョコレートを口にしたり、午後のティータイムにクッキー、夜のリラックスタイムにアイスクリームを食べる、そんな何気ない間食が、実は「虫歯のリスク」を大きく高めているかもしれません。間食=悪ではありませんが、その取り方次第で虫歯のリスクを大きく左右します。大切なのは、「何を」「どのように」「どれくらいの頻度で」食べるかを意識することです。



1. 虫歯ができる仕組みとは?

虫歯(う蝕)は、口腔内の細菌(主にミュータンス菌)が、食べ物から栄養をとり、糖を分解して酸を作ります。この酸によって歯の表面からミネラル成分カルシウム・リンが溶け出し、むし歯となります。歯はエナメル質という非常に硬い組織で守られていますが、酸に弱く、pH5.5以下になると徐々に溶け出します。酸性状態が長く続けば続くほど、再石灰化(歯が自然に修復される働き)よりも脱灰(歯が溶ける働き)が上回り、虫歯となるのです。虫歯が出来る仕組みには、歯の本来の強さや虫歯菌の量、糖分、それに加えて時間的要素も大きく関係しています。


2. 間食の「頻度」がリスクを高める

間食と虫歯の関係で最も重要なのは、「量」よりも「頻度」です。

たとえば、1日にチョコレートを100g食べたとしても、それを一度に食べるのと、10gずつ10回に分けて食べるのとでは、虫歯リスクが大きく異なります。一度に全部食べるよりちょこちょこ時間をかけて食べる後者の方が、口の中が酸性になる時間が長く続くため、歯がダメージを受けやすくなります。つまり、「ダラダラ食べ」が歯にとって最も悪影響なのです。
間食の回数の目安としては、1度にしっかりとしたエネルギー摂取が難しい0歳児では補完食として1日3回程度、1〜2歳のお子さんは10時と15時頃の2回、3歳〜5歳のお子さんは15時頃の1回、就学以降は食事がしっかりと摂れていれば食べなくても大丈夫ということになります。


3. 糖質が豊富なおやつは要注意

おやつに多く含まれる砂糖(ショ糖)は、虫歯菌の大好物です。特に次のような食品は、虫歯のリスクが高いとされています。

• キャンディー、グミ、キャラメル:長く口の中に残りやすく、酸の発生時間が長い。
• 炭酸飲料、ジュース:糖分に加えて酸性の液体であるため、エナメル質を直接侵食する可能性もあります。
• クッキー、スナック菓子:炭水化物が多く、歯に付着しやすい食べ物です。
• ドライフルーツ:自然な甘さでも糖質が濃縮されており、歯に粘着しやすいです。


4. 間食をとるなら、工夫がカギ

完全に間食をやめるのは難しいものですが、虫歯リスクを下げる工夫を取り入れることで、歯を守りながら間食を楽しむことができます。

◆ おすすめの間食対策
• 時間を決めて食べる:間食は1日1〜2回までにし、食後にまとめてとるのが理想的です。
• キシリトール入りのお菓子を選ぶ:キシリトールは虫歯菌の活動を抑える効果があります。
• 水やお茶を一緒に飲む:口の中の糖や酸を洗い流し、pHの回復を助けてくれます。
• 乳製品を取り入れる:チーズやヨーグルトには、歯の再石灰化を助けるカルシウムやリンが含まれています。
• 食後はなるべく歯磨きを:難しい場合は、うがいだけでも虫歯予防に効果があります。


5. 間食と子どもの虫歯

子どもは大人以上に虫歯リスクが高いため、間食の管理は特に重要です。甘いおやつを与える習慣が早期に身についてしまうと、将来的な虫歯のリスクも高まります。

保護者の方は、次のようなポイントに注意してみてください
• おやつは決まった時間に与える
• 甘い飲み物は控え、水や麦茶にする
• 仕上げ磨きをしっかり行う
• 砂糖の代わりにフルーツや乳製品を取り入れる


6.フッ素を用いたセルフケア

間食の取り方に注意しながら、日々フッ素を取り入れることもとても大切です。
フッ素の効果として、次のようなことに期待できます。

①歯のエナメル質を強くする
• フッ化物がエナメル質のカルシウムやリン酸を取り込んでフルオロアパタイトという強化された鉱物を形成し、酸への耐性を高める 事ができます。
• 毎日の歯磨きやフッ化物製品の使用で「脱灰と再石灰化のバランス」が保たれ、虫歯予防に効果的です。

②初期虫歯を治す「再石灰化」
• 酸で溶け始めたエナメル質の戻し(再石灰化)を促し、初期の虫歯を修復できます。
• 頻繁に低濃度フッ化物を口内に留めておくと、再石灰化効果が高まります 。

③虫歯菌の活動を抑制
• フッ化物は虫歯菌(特にミュータンス菌)の代謝酵素(エノラーゼやATPase)を阻害し、酸の産生量を減少させます 。
• これにより、虫歯菌の増殖や歯への付着力も低下します 。

高濃度フッ素を配合した歯磨剤、フッ素ジェル、フッ素洗口などの使用もおすすめします。


7.まとめ

間食は賢く、楽しく、歯を守る工夫をしながらとるよう気をつける。そのためには歯の質を強くするフッ素を取り入れ、虫歯菌の活動を活発にさせない為にも糖分の取り方にも注意することが大切です。
今日からできることとして、まずは「ダラダラ食べをやめる」「甘い飲み物を控える」「間食は1日に1回まで」など、小さな習慣を見直し、セルフケアとしてフッ素を用いてみてはいかがでしょうか?

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