妊娠中の歯科治療について｜西宮市・中津浜デンタルクリニック

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妊娠中の歯科治療について

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妊娠中の歯科治療について

歯科治療について

2025/12/11

今回は妊娠中の歯科治療について説明します。

妊娠中の歯科治療は「基本的には安全」です。

適切な歯科治療や口腔ケアを実施することは母体・胎児の健康にとても重要です。ただし、妊娠時期には避けた方がよい治療や、時期によって注意点がありますので、以下にわかりやすくまとめました。

■ 妊娠中に歯科治療は受けていいの？

はい、受けられます。

特に安定期（妊娠中期 14〜27週）が最も安全で、多くの治療が可能になります。

そのため治療が必要な妊娠中の方には安定期に入ってからの治療をお勧めしています。

■ 妊娠時期別、歯科治療のポイント

● 妊娠初期（〜13週）

・胎児の器官形成期で歯科治療は慎重に行います

・強い薬剤、長時間の治療は避けます

・応急処置のみが基本です

・重度の歯の痛みや感染は放置せず、できる範囲での治療を行います

・つわりがある方は無理のない体勢や、短時間での治療を行います

● 妊娠中期（14〜27週）

※治療のベストタイミングです

・多くの治療が安全に行える時期です

・虫歯治療、歯周治療、麻酔も可能です

・歯科健診やクリーニングも推奨しています

● 妊娠後期（28週〜）

・お腹が大きくなる為、長時間の治療が苦しくなる時期です

・仰臥位低血圧症候群に注意が必要です（長時間の仰向けでの気分不良）

・原則として応急処置が中心になります

・出産間近でなければ軽度の処置は可能です

■ 妊娠中のレントゲンは大丈夫？

・妊娠中の合計被曝量で胎児に影響が出るのは100mSv以上とされています。

・歯科用レントゲンの被ばく量は

　　デンタル：約0.01〜0.02mSv

　　　　　　（お口の中に小さいフィルムを入れて撮影します）

　　パノラマ：約0.02mSv

　　　　　　（上下の歯と顎全体を撮影します）

　　と極めて低く安全な範囲です。

・撮影部位が子宮から遠く、加えて鉛エプロンで腹部を保護するため胎児への影響はほぼありません。

■ 麻酔を使う治療は大丈夫？

・麻酔を使う歯科治療は基本的には安全です。

　歯科で使われる局所麻酔は、妊娠中でも安全性が高いとされています。

・局所麻酔のため必要な部位の局所だけに作用するので胎盤を通過する量はごくわずかです。

・むしろ痛みを我慢して治療をすると、ストレスや炎症が母体・胎児に悪影響を及ぼすこともあるため、必要な場合には麻酔を使う方が望ましいです。

■ 処方される薬について

・抗生物質は妊娠中も安全に服用できる種類のものが処方されます。

・痛み止めはアセトアミノフェンが第一選択になり、NSAIDs（ロキソニンなど）は時期により使用制限がある為、医師の判断により処方されます。

■ 歯周病に注意しましよう（早産・低体重児のリスクが上がります）

・妊娠中はホルモンの影響で歯茎が腫れやすく、妊娠性歯肉炎が起こりやすい状態です。

　歯周病が進行すると早産や低体重児出産のリスク上昇が指摘されています。そのためには定期的なクリーニングが重要です。

■ 妊娠中におすすめのセルフケア

① 歯磨きは無理のない範囲で丁寧に

　・つわりで気持ちが悪い時は、「頭を下げて前かがみで磨く」「香りの弱い歯磨き粉を使う」「低発泡の歯磨き粉を使う」「歯磨き粉なしで磨いてもOK」です。

　・歯ブラシは柔らかめ、ヘッドの小さいものを使うのもお勧めです。

　・フロスも併用しましょう。

② 食後すぐ磨けないときは、口をゆすぐだけでも大丈夫

　・つわりで吐いてしまった後は、すぐに磨かず、まず水やお茶でゆすぎましょう。

　　（胃酸で歯が弱くなっているため）

③ フッ素（フッ化物）の使用は妊娠中でも安全

　・フッ素配合歯磨き粉や、フッ素洗口液は、母体・胎児ともに安全とされており使用可能です。

④ 間食の回数に注意しましょう

　・間食の回数が増えるとむし歯菌が活発になるため、ガムや飴をだらだら食べ続けるのは避けましょう。

まとめ

・妊娠中でも歯科治療は基本的に安全なため可能です。

・特に、妊娠中期（安定期：妊娠5〜7ヶ月）は安定期のため最も歯科治療に適した時期です。

・妊娠中の歯周病ケアは特に重要です。

・もし歯科治療に対して不安な事があれば、歯科医師と産婦人科医の両方に相談しながら進めていくと安心です。

当院、中津浜デンタルクリニック・こども矯正歯科では、妊娠中の方はもちろん、産後しばらく歯科検診を受けていない方や、妊娠の有無にかかわらず多くの皆さまに定期的な歯科検診、歯のクリーニングを推奨しております。

ぜひこの機会に歯科検診へお越しください。

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