フロスは必要?歯間ブラシとの違いと正しい使い分け方

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フロスは必要?歯間ブラシとの違いと正しい使い分け方

歯科治療について

2025/07/24



日々の診療の中で、患者さんからよくいただく質問のひとつがこれです

「デンタルフロスって毎日使わないといけないんですか?」
「歯間ブラシがあるから、フロスはいらないですよね?」

…このように、フロスと歯間ブラシの違いや、どちらを使うべきか迷っている方はとても多いです。

そこで今回は、フロスの必要性と歯間ブラシとの違い、どちらを使うべきかの判断基準、正しい使い方を解説していきます。



▶ 1. 歯ブラシだけでは落としきれない汚れがある

まず、なぜフロスや歯間ブラシが必要なのか、という根本的な部分からお話しします。

皆さんは、歯ブラシでしっかり磨いているつもりでも、実は歯と歯の間の汚れは約40%も残っているという事実をご存じですか?

これは、歯ブラシの毛先が歯と歯のすき間、いわゆる「歯間」にまできちんと届かないためです。
歯間に残った汚れ(プラーク=細菌のかたまり)は、むし歯や歯周病、さらには口臭の原因にもなります。

その“死角”をカバーするための道具が、デンタルフロスと歯間ブラシなんです。



▶ 2. フロスと歯間ブラシの違いとは?

この2つは、どちらも歯間をきれいにする補助清掃具(補助的な歯磨き道具)ですが、構造も使い方も、向いている人もまったく異なります。

デンタルフロス(Dental Floss

細い糸状の清掃器具で、歯と歯の接触面(コンタクトポイント)を通して差し込み、歯の側面に付着した汚れをこすり取るように使います。

特徴
• 歯と歯の間が狭い部分に向いている(とくに前歯)
• 若い人や歯周病の進行が少ない人におすすめ
• むし歯予防に効果的(隣接面う蝕=歯の間の虫歯)

タイプ
• ロールタイプ(糸巻き)
• ホルダータイプ(Y字型、F字型)

向いている人
• 歯間の隙間が小さい方



歯間ブラシ(Interdental Brush

極細のブラシを金属やプラスチックのワイヤーに巻き付けた形状で、歯と歯の間に差し込んでブラッシングする清掃器具です。

特徴
• 歯間にある程度の隙間がある人に向いている
• 歯ぐきが下がってすき間ができている場合に最適
• 歯周病の予防・ケアに効果的

サイズ

サイズはSSS~Lなど、非常に細かく分かれています。
無理に太いサイズを使うと、歯肉を傷つける可能性があるので要注意。

向いている人
• 歯茎が下がってきている方
• ブリッジ、インプラント治療を受けた方
• 歯周病がある、進行中の方



▶ 3. どちらを使えばいい?使い分けの目安

実際には、両方を使い分けるのがベストな場合もあります。
西宮市門戸厄神駅近く、中津浜デンタルクリニック・こども矯正歯科の当院では、患者さん一人ひとりの歯の状態を見て、適切な使い方をアドバイスしています。



▶ 4. フロス・歯間ブラシの正しい使い方

フロスの使い方(ホルダータイプ)
1. フロスを歯と歯の間にゆっくり差し込む
2. 歯の側面に沿わせて上下に動かす(“Cの字”を意識)
3. 両側の歯の面を1本ずつこすり取る

NG行動
• 力任せに押し込む
• 一度で複数の歯をざっくり掃除する
• 血が出てもすぐやめる(炎症のサインの可能性)



歯間ブラシの使い方
1. 自分の歯間に合ったサイズを選ぶ(複数サイズが必要な人も)
2. 歯間にまっすぐ優しく挿入する
3. 前後に数回動かしながら汚れを取る
4. 折れたり広がったブラシはすぐ交換

NG行動
• 無理やり入れる
• 同じブラシで長期間使用
• 歯ぐきの痛みや出血が続くのに放置



▶ 5. よくある質問(Q&A

Q1:血が出たんですけど、やめたほうがいいですか?

A:いいえ。初期の歯ぐきの炎症があると、フロスや歯間ブラシを使ったときに出血することがあります。毎日続けていくと炎症が改善され、出血は止まっていきます。



Q2:子どもにも使わせた方がいいですか?

A:はい、乳歯の奥歯が生え始める頃には、フロスを使う習慣をつけるのが理想です。ホルダータイプなら安全に使えます。



Q3:使うのは11回でいいんですか?

A:理想は毎晩の就寝前に1。食べかすがたまりやすい夕食後に行うことで、最もむし歯・歯周病予防効果が高まります。朝晩2回行うのももちろんOKです!



▶ 6. まとめ:毎日のα”のケアが未来の歯を守る

• 歯と歯の間のむし歯(隣接面う蝕)
• 歯ぐきの炎症(歯周病)
• ブリッジやインプラントの不調

…これらの多くは、「見えない場所の磨き残し」が原因です。

ですが逆に言えば、毎日の小さな習慣を変えるだけで、お口の健康を大きく守ることができるということでもあります。未来の歯を守るのは、ご自身の毎日のケアが重要です。
西宮北口近く中津浜デンタルクリニック・こども矯正歯科の当院では、患者さんの歯の状態やライフスタイルに応じて、
• 「フロスを使うべきか」
• 「歯間ブラシはどのサイズが適しているか」
• 「正しい使い方ができているか」

など、当院ではお子さんから大人の方までお一人おひとりに合わせた定期検診やセルフケア指導を行っています。
「フロスは面倒」「歯間ブラシって痛そう」と感じている方こそ、まずは一度お気軽にご相談ください。

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