マウスピースを嫌がるのはなぜ?その理由と栄養との関係について

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マウスピースを嫌がるのはなぜ?その理由と栄養との関係について

歯科治療について

2025/09/09



歯ぎしりや顎関節症、矯正治療中の歯の保護など、さまざまな目的で使用される「マウスピース」。
歯科ではよく使われる装置のひとつですが、特にお子さまや感覚が敏感な方の中には、「どうしても着けられない」「すぐに外してしまう」といった反応を示す方が少なくありません。

今回は、マウスピースを嫌がる理由と、それに関連する「感覚過敏」や「発達特性」、さらにそれらに関わる栄養の視点からも詳しく解説します。


■ なぜマウスピースを嫌がるのか?

● 多くの方が感じる「異物感」

マウスピースは、文字通り口の中に異物を入れる装置です。そのため、初めて使うときは誰でも違和感を覚えるものです。慣れてしまえば気にならない方が多い一方で、「どうしても気になって外してしまう」「装着した瞬間に気分が悪くなる」というような、強い拒否反応を示すケースも見られます。

● 感覚過敏があるとつらい

その原因のひとつに「感覚過敏」があります。これは、口腔内の感覚(触覚・圧覚・味覚など)が非常に鋭く、通常であれば気にならない刺激が「不快」「耐えがたい」と感じられてしまう状態です。

特に、発達特性のあるお子さまやHSP(繊細気質)の傾向がある方では、このような感覚の過敏さが強く出やすいことがわかっています。


■ 感覚過敏と栄養素の関係

あまり知られていませんが、感覚過敏や情緒の不安定さ、神経の高ぶりなどは、栄養状態と密接な関係があることが、最近の研究で明らかになってきています。特に以下の栄養素が不足すると、感覚が過敏になりやすく、マウスピースの異物感が強く感じられる傾向があります。


■ 鉄分(特に「フェリチン」)

鉄分といえば「貧血」のイメージがありますが、実は「脳や神経の働き」にも深く関わっています。中でも注目されているのが、貯蔵鉄の指標である「フェリチン」です。

● 不足すると?
感覚過敏
注意力の低下
情緒不安定
落ち着きのなさ
睡眠の質の低下

特に女性や子どもはフェリチン不足になりやすく、見逃されやすい点です。血液検査で「ヘモグロビンが正常」でも、フェリチンが低ければ鉄不足の影響は出ます。

● 食事で補うには?
赤身肉(牛肉・ラムなど)
レバー(鶏・豚)
あさり(缶詰もOK)
ほうれん草

動物性食品に含まれる「ヘム鉄」の方が吸収されやすいため、意識して取り入れましょう。


■ 亜鉛

味覚や免疫の維持に関わる栄養素ですが、脳機能や神経系にも重要な役割を果たしています。

● 不足すると?
味覚や嗅覚の異常
感覚過敏
集中力の低下
傷の治りが悪い

特に成長期のお子さまや、偏食傾向がある方は不足しがちです。

● 食事で補うには?
牡蠣(トップクラスの含有量)
牛肉
かぼちゃの種
ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)

植物性の亜鉛は吸収がやや悪いため、動物性食品も組み合わせると効果的です。


■ マグネシウム

ストレスに対抗するミネラルとも言われ、神経や筋肉の調整に不可欠です。

● 不足すると?
神経過敏
筋肉の緊張やけいれん
イライラや不安感
不眠

甘いものや加工食品をよく食べる方は、マグネシウムの消費が増えやすく、慢性的に不足する傾向があります。

● 食事で補うには?
アーモンド、くるみ
バナナ
ひじき、わかめなどの海藻類
豆腐、納豆などの大豆製品


■ ビタミンB群(特にB6・B12)

ビタミンB群は、神経の働きやエネルギー代謝をサポートする栄養素群です。特にB6とB12はストレスや神経過敏に関係すると言われています。

● 不足すると?
神経過敏
気分の落ち込み
ストレスへの耐性低下
口内炎や舌炎

加工食品中心の食生活では不足しやすく、慢性的な疲れやイライラにもつながります。

● 食事で補うには?
魚(サケ、サバなど)
レバー(ビタミンB12が豊富)
全粒穀物(玄米、オートミールなど)


■ 栄養を整えることで変わることも

栄養素の不足は、体だけでなく「感覚」や「情緒の安定」にも影響します。マウスピースがつらい、落ち着かないという状態の背後に、「栄養バランスの乱れ」が潜んでいる場合もあるのです。

特にお子さまや発達特性のある方においては、食生活の見直しが「マウスピースを受け入れられるようになる」きっかけになることもあります。無理に我慢させるのではなく、からだの内側からサポートする方法もあると知っていただければ幸いです。


■ まとめ

マウスピースを嫌がる原因は、単なる「わがまま」や「気のせい」ではありません。特にお子さまの場合、口の中の感覚に敏感だったり、初めての装着に対して不安や緊張が強かったりすることもよくあります。

さらに最近では、感覚過敏の背景に栄養バランスの乱れが関係している可能性も指摘されており、マウスピースの異物感を強く感じる理由の一つとして、神経過敏や情緒の不安定さといった身体の内側の状態も無関係ではありません。

門戸厄神駅より徒歩圏内の中津浜デンタルクリニックこども矯正歯科では、マウスピースの装着が難しい方へのご相談を随時受け付けております。無理に装着を強いるのではなく、その方に合ったペースや方法を一緒に考えることを大切にしています。


また、必要に応じて食生活習慣の見直しについてのアドバイスも行っており、栄養士からのサポートも重視しています。ご希望の方には「食生活アンケート」のご記入をお願いし、現在の食習慣や偏りを確認させていただいた上で、個別にアドバイスをさせていただいております。

さらに、西宮市にある中津浜デンタルクリニックこども矯正歯科ではお一人おひとりのお子さまの食事の嗜好や、家庭での食事スタイル、食べ方の工夫なども丁寧にヒアリングさせていただき、それぞれのご家庭の状況に合わせた「実践しやすい提案」を心がけています。


「マウスピースが合わない=治療が進まない」とあきらめる前に、まずは一度ご相談ください。歯科治療は「歯」だけでなく、からだ全体・生活全体とつながっているもの。お口の問題も、生活環境や栄養状態と一緒に考えていくことで、思わぬ突破口が見つかることもあります。

お子さまが無理なく、安心して治療に臨めるような環境づくりを、阪急西宮ガーデンズよりほど近い中津浜デンタルクリニックこども矯正では何よりも大切にしております。
そして保護者の方の不安や戸惑いにも寄り添えるように、スタッフ一同サポートさせていただきます。
お気軽にお問い合わせください。

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