赤ちゃんの歯磨きはいつから始めるの?

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赤ちゃんの歯磨きはいつから始めるの?

歯科治療について

2025/02/10

乳歯が生えてくるのはおよそ6ヶ月〜9ヶ月頃で下あごの前歯から生え始めます。
乳歯が生えてきたら歯磨きを始めましょう。
(個人差があるため1歳ごろまで歯が生えてこなくても、歯の生える順番が違っても問題はありません)
歯磨きには、湿らせた清潔なガーゼや歯磨きシートなどを使い歯の表裏を拭って下さい。
この時期は唾液が多くて歯の表面に汚れが着きにくいので、ゴシゴシこすらずに軽く拭うだけで充分です。
乾いたガーゼは粘膜を傷つけたり、痛みを感じる事があるためお勧めできません。
まずは口の周りや口の中に触れられる感覚に慣れていく事が大切です。
ガーゼで磨くのを嫌がるようであれば、まずは指で赤ちゃんの顔や口の周りをスキンシップの一環として楽しみながら触っていき、少しずつ触られる事に慣らしていってください。
授乳後や食後にこだわらず、赤ちゃんの機嫌の良い時に始めるようにしましょう。

歯磨きの姿勢は?
赤ちゃんを、お膝の上に仰向けにごろんと寝かせた状態で、お母さんが赤ちゃんのお口の中をのぞき込みやすい姿勢(寝かせ磨き)で磨いてあげて下さい。
まずは赤ちゃんが歯磨きの姿勢に慣れる事からはじめましょう。
お母さんに顔をのぞき込まれる事に抵抗を感じるかもしれませんので、赤ちゃんが不安にならないように優しく声かけをして、力が入らないようにリラックスした雰囲気を心掛けて下さいね。
真剣な顔でのぞき込まれるよりも、笑顔でのぞき込まれるほうが赤ちゃんはリラックスできるかと思います。
手遊びなどをしながら楽しく慣れてもらえるといいですね!

歯ブラシはいつから使うの?
前歯の乳歯が生えたタイミングで歯ブラシを使いましょう。
歯ブラシに慣れるまでは、シリコンやゴム製の柔らかい歯ブラシを使ってもかまいません。
慣れてきたら乳歯用の歯ブラシを使って磨きましょう。
大人用の歯ブラシは大きすぎるので、赤ちゃんの歯磨きには向きません。
ポイントは歯ブラシが唇や舌、歯ぐきに当たらないように注意して軽い力で磨く事です。
お子さんの粘膜は敏感なので歯ブラシが当たると痛みを感じてしまいます。痛みがあると歯磨きが嫌になってしまいますので気をつけてください。

どうやって磨くの?
お膝の上に仰向けに寝かせた状態で寝かせ磨きで行います。
頭が安定しない場合には、膝の間に赤ちゃんの頭を挟んで磨いてみましょう。
歯ブラシを持っていない方の手で赤ちゃんの唇に指をそえて粘膜を保護しながら優しく歯を磨きます。ゴシゴシこするのではなくて、歯ブラシは執筆状(ペングリップ)に持って力を入れすぎないように、歯を1〜2本づつ磨くつもりで歯ブラシを横に小刻みに小さく動かしてください。歯の裏側も忘れずに磨きましょう。
上の歯を磨く時は上唇小帯(上唇の裏側と歯ぐきの間にあるスジ)に当たらないように気をつけてください。
磨く時間は短めで、まずは毎日の食後の歯磨きが習慣になる事を目標にしてください。
 
仕上げ磨き用の歯ブラシは必要なの?
1歳半頃からは奥歯が生えはじめるので、仕上げ磨き用の歯ブラシと、お子さん専用の歯ブラシを準備して、それぞれを使い分けるようにして下さい
まずは、お子さん自身がお子さん専用の歯ブラシで磨いてから、仕上げ磨き用の歯ブラシで仕上げ磨きをするようにしましょう
まだまだ磨けない時期なので、力が入ってしまったり歯ブラシを噛んだりしてもかまいません。
歯磨きを習慣化する事が大切なので、終わったら褒めてあげてください。
子供さんが磨く時は、姿勢が安定しない時期でもある為ブラシで喉をついたりしないように、必ず座った状態で磨くように注意してください。
立ち上がったり、歩き出したりしないように、お母さんは目を離さずに近くで見守ってあげてくださいね。
ストッパーつきの歯ブラシなど安全に配慮したブラシがお勧めです。
仕上げ磨き用の歯ブラシは、ヘッド部分が小さめのものを選んでください。持ち手(ハンドル)の長いもが仕上げ磨きには向いています。
この時期は歯ブラシを噛んでしまって毛先が広がりやすいので、歯ブラシの交換時期にも注意が必要です。
歯磨きが終わったら、たくさんほめてあげてください。

歯磨き粉はいつから使うの?
歯磨きジェルは0歳から使用ができますので。
歯が生え始めたらフッ素入りの歯磨きジェルを使用してください。
ブクブクうがいができるようになる2歳ごろからフッ素入りの歯磨き粉や歯磨きジェルを使って磨くことができます。
ブクブクうがいは少しずつ練習する必要がありますので、お子さんの様子をみながら進めてください。
この時期は歯磨きを嫌がる子供さんも増えてくるので、歯磨き粉の味を変えてみたり、好きなキャラクターの歯ブラシや歯磨き粉を使ってみるのもいいかもしれません。

親から虫歯菌はうつるの?
乳歯の生えはじめから3歳頃までは、ミュータンス菌(虫歯菌)に感染しやすい時期です。
歯の生えていない乳児にはミュータンス菌はいませんが、家族間のスキンシップから感染することがあります。
お子さんの口腔ケアはもちろん大切ですが、ご家族の口腔ケアがとても重要だと考えられます。
この事からご家族の方も歯科受診を受ける事がとても大切になってきます。
ぜひとも定期的な歯科検診やクリーニングを受ける事をお勧めいたします。

子供の歯が虫歯になりやすいのはなぜ?
乳歯は永久歯よりも歯の表面にあるエナメル質の厚みが薄いため虫歯になりやすく、永久歯に比べると歯質が柔らかいため虫歯になると進行が早いのが特徴です。
特に小さなお子さんは、うまく痛みを伝えるのが難しいこともあり、気づいた時には虫歯が神経にまで達してしまうケースも少なくありません。
その場合は歯の治療が必要になるため、時間も回数もかかってしまうので、お子さんの負担はかなり大きくなります。
毎日の仕上げ磨きの時には、お子さんの口の中をしっかりと観察しながら磨き、定期的な歯科検診を受けることで虫歯の早期発見、歯磨き指導やフッ素塗布を受けることが虫歯予防につながります。

虫歯になりやすい部位ってあるの?
・1〜2歳の頃は上の前歯の表面(歯ぐきのつけ根あたり)や、上の歯と歯の間(特に真ん中の歯)
・3歳頃からは上下の奥歯のかみ合わせにある歯の溝
・3歳半頃からは上下の奥歯が隣り合う歯と歯の間

これらの部位が虫歯の好発部位になりますので、仕上げ磨きの時の参考にしてみてください。
歯と歯の間を磨くためには、ぜひデンタルフロスもお使いください。
歯ブラシだけでなくデンタルフロスも歯磨きの習慣になると虫歯のリスクを下げることができます。

赤ちゃんの歯医者さんデビューはいつ?
歯科検診の受診には早すぎるという事はありませんので赤ちゃんの歯が生えてきたら歯科検診を受けましょう。
このころは赤ちゃんの人見知りも少ないので歯科医院の雰囲気に慣れやすく、歯科医院に対する先入観も無いのでスムーズに歯科検診を受ける事ができます。
赤ちゃんの頃から歯科医院で定期的な検診に慣れておくと、将来もしも虫歯になり治療が必要になったときでも怖がらずに通院ができ、早期発見によって短時間の治療で済むメリットがあります。
「0歳児に歯科検診は早いのでは?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、早期から始める事により将来的な歯の健康維持に役立つと考えられます。
特に乳歯は歯質が薄く、虫歯の進行スピードも早いため定期的な受診を続けていくことが大切です。

歯科検診では何をするの?
当院では、まず歯科衛生士が赤ちゃんのお口の状態を観察します。
次にご自宅でのケアが適切かどうかをチェックしながら歯磨きの指導や、食生活についての確認をしていきます。
そして歯科医師による虫歯の有無の確認、上下の歯が生えていれば噛み合わせの確認などをさせていただきます。
その後、問題がなければフッ素塗布をします。
赤ちゃんが歯科医院で泣くのは当たり前のことなので気を使われなくても大丈夫です。
安心して受診してください。

また、赤ちゃんの機嫌の良い時間帯のほうが赤ちゃんにとって負担が少なくスムーズに受診できるのでお勧めです。
大泣きして吐き戻ししてしまうこともあるので、食事後すぐの時間帯の受診は避けてもらう方が良いかと思います。
定期検診では、お子さんの成長段階に応じてお口の状態に合ったセルフケアの方法を説明いたします。
特に成長期のお子さまの場合は、お口の状態が変化していきますので、ずっと同じ方法でケアをしていると磨き残しができる可能性が高まりますので定期的にチェックすることは、とても意義のあることになります。
子どもの頃から定期検診やセルフケアが当たり前のことになれば大人になっても適切なケアが続けられて、虫歯やお口の中の異常の早期発見に繋がります。
赤ちゃんの時から歯磨きを続ける事が、お子さんの歯磨き習慣に繋がります。
お母さんの無理のない範囲で毎日、赤ちゃんの歯磨きを続けていきましょう。
この記事の編集・責任者は歯科医師の村田紗也子です。

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